ケーススタディ:Planet
by Eggplant, on Mar 30, 2021 9:55:45 AM
プラネット社は、丸紅情報システムズ社の支援を得て、主力製品であるPOSアプリケーションのテストの実行を、Eggplantによって自動化、改善することに成功しました。
略歴
1983年の創業以来、プラネット社は流通小売店に対してITソリューションとトータルサービスを提供してきました。同社の主力製品は、自社開発のPOSシステム「ATEMS」です。スポーツ、雑貨、アパレル、飲食業、およびその他の専門店向けの同製品はクラウドサービスでの提供が基本となります。プラネット社は、Eggplantの日本におけるビジネスパートナーである丸紅情報システムズ社と協調して、プラネット社の製品およびサービスを強化するテクノロジーを特定し導入しています。「当社のデータセンターで24時間365日のデータ処理サービスとヘルプデスクサポートを提供しています。システムだけでなく、日々の運用も含めたワンストップサービスが当社の強みです。お客様は、資産としてシステムを所有することなく、店舗運営や経営管理のためにビジネスインテリジェンスツールを利用したデータ分析など様々なサービスを利用できます」とプラネット社のシステムソリューション事業本部管掌取締役鹿山貴弘氏は話します。
IT技術の進歩や社会の変化に応じて、POSシステムは進化してきています。POS専用機、タブレットPCおよび端末の数も増えています。また2020年東京オリンピック開催に向けて、企業はクレジットカード、電子マネー、セルフ会計など決済手段の多様化や、免税および多言語化への対応も求められています。
リモートで接続してテストを行うという点が画期的でした。」――プラネット社 三木規史氏
POSシステムの品質は店舗の信用に直結する
店員をサポートするPOSシステムは、商品バーコードを読み取り、自動的に合計金額を算出し、支払金額を買物客に知らせます。買物客と金銭のやりとりを行う店頭業務ではミスが許されません。万が一、システムトラブルが起きればビジネスの機会損失のみならず信用失墜につながりかねません。安定稼働のために品質を追求していく中で、避けて通れないリスクがあります。法制度対応や機能追加などのバージョンアップは常に品質の担保を求められます。「当社では3カ月に1回、バージョンアップを行うケースもあります。システム改修において大事な観点は、改修した機能はもちろん、それ以外のどこかに影響がでていないか、という点です」とシステムソリューション事業本部製品管理本部本部長三木規史氏は話します。近年では、オムニチャネル(実店舗とオンラインショップの間の垣根を取り払った販売戦略)やEC(エレクトロニックコマース、電子商取引)との連携も欠かせません。「ATEMS」は同社のクラウド上で他社システムと連携し付加価値の高いサービスを提供できる点も強みです。「例えば、実店舗とオンラインショップの購入履歴や購入ポイントを一元管理することでリアルとバーチャルの両面での販売促進につなげることができます。またクラウド上で蓄積された小売店の顧客情報をメーカーにフィードバックする取り組みも進めています。流通業の川下と川上の間の架け橋の役割を果たしていければと考えています。」(鹿山氏)POSシステムが複雑化する中、バージョンアップ時の品質を支えるテストの重要性が高まる一方で、作業負荷の増大は深刻な課題となっています。同社は品質と効率の両面を向上するべく最初のテスト自動化ツールを導入しましたが、期待したほどの効果はなく、消費税率引き上げへの対応で自動化できたのは1割に過ぎませんでした。
人海戦術の限界とテスト自動化の必要性を痛感
2014年、消費税率が5%から8%に変わりました。17年ぶりの引き上げとなる1年前の2013年から同社は「ATEMS」の消費税率変更への対応を開始しました。同製品の導入企業の約8割がカスタマイズを行っています。カスタマイズした分だけシステム改修は発生しますが、同社はお客様に寄り添ってつくりあげることにこだわりを持っています。「専門店ごとに扱っている商品や使いたい機能、販売戦略などが異なっており、それぞれのニーズにしっかりと応えていくことでお客様のビジネスに貢献していきたい。」(鹿山氏)2014年4月1日、日付が変わる瞬間にATEMS導入企業200社、店舗数350店舗のPOS 4,500台すべてが一斉に正しく切り替わらなければなりません。準備期間の中で4カ月という時間をかけ、カスタマイズしたそれぞれのシステムに対し改修による影響範囲を調べ、社内に本番相当の環境を用意しテストを実施しました。「一発勝負で、なおかつ失敗できないことから、限られた時間の中でテストを手厚く行うことが必要でした。事前に導入していたテスト自動化ツールに期待していたのですが、自動化できたのは1割程で、残りの9割は人手で行いました。」(三木氏)